2019年12月3日

386オーディオミキサー

近況報告 

お久しぶりです。ネトラトだよ~
 最近は無線送電の解析の成否を確認するために試験回路を設計しています。この前のヒステリシス変調を使ったテスラコイルの回路がほぼそのまま使えるので楽ですが、電流検出を共振コンから取ってるので少し工夫しないとですね。

目標

 今回紹介するのは、簡易的なオーディオミキサーです。スマホでDiscordを繋ぎながらiPadでゲームできたら便利だなと思って作ってみました(買いましょう)。Discord動かしながらゲームしたら重くなりそうで嫌だなというわがままから生まれました。
 つまり、求める仕様はこんなんです↓
  • 負荷はイヤホン
  • 2入力を加算
  • Gain=1
ちなみに今回苦労したのはゲインを下げる事でした。もしこの世に雑音が無ければ入力レベルを下げるだけでいいのになー(現実はゲイン分、ノイズが増幅される)

回路

珍しくBSchで書きました!新しい文明への一歩です。



 電源はmicroUSBからの5vとし、秋月電子のDIP化キットでユニ基に刺しました。アンプicは外部からNFBを掛けれるLM386にしました。
 反転入力に出力の一部を帰還して、ゲインを固定ゲインより下げました。OPアンプのゲイン低いverみたいな感じです。後で知ったのですが、これはよく聞く「非革命アンプ」らしいです。みんな考えることは同じなんですね。

  • 発振対策C

 実は作る前は入れてなかった部品がありました。それがC3,C4です。無い状態の症状は、入力のイヤホンジャックをスマホに刺した時から出力に大きなホワイトノイズが載り続けるというものです。明らかな異常発振ですね(こういう目に見えたエラーってワクワクしません?僕はそう思いませんけど。)。そこで、発振対策としてC3,C4を入れてみました。結果は抜群で、その現象は無くなりました。
 しかし、この場所にCを入れる位相補償ってどんな原理なんですかね。高周波でのゲインが上がりますよね...ちなみにR9,R11に並列にCを入れたら逆に不安定になりました。ちょっと今の僕には分からないので匙を投げます(動いたし)。
 帰還回路とCによって周波数特性が変わるはずですが、カットオフ周波数が約30kHzなので入力のLPFより影響は小さいです。

  • LPF

 R5~R8とC1,C2でLPFを組んでいます。カットオフ周波数が6kHzで可聴域なので時定数が大きすぎですね。
 このLPFはスマホからのノイズをカットするという目的があります。なので、カットオフ周波数を上げすぎるとサーって音が聞こえてきます。イヤホン直挿しでは聴こえないので、聞こえない帯域のノイズを増幅するときに可聴域になったと思われます。厳密なことは分かりませんが、もしそうなら入力でカットすればいいはずです。ちなみに、このノイズはスマホならありましたが、iPod shuffleだと無かったです。
 今回はノイズが気になるのは嫌だったので時定数を大きくしましたが、最適とは言えないでしょう。

  • 電源ノイズ

 micro USBから電源を取っているので、スイッチングノイズが載る場合があります(アダプターにもよる)。スマホの充電時よりかなり小さな消費電流なので、無負荷時の間欠動作になり可聴域のノイズが載ります。そこで、消費電力が小さいときしか使えませんが、電源にRCフィルターを入れました(R17,C11)。しかし、一部のACアダプターではノイズが消えなかったので定数は微妙かもです。
 ちなみに、C5,C6はic内部の小信号増幅段の電源ノイズを抑制します。

  • 短絡保護(課題)

 短絡保護はガバガバで、R15,R16でリミットを掛けてます。スマホだとアナログスイッチで出力を完全に切り離してて偉いですよね。つまり実用化するなら保護回路を組むべきです。

作る

 Cタイプの基板に納まりました。8pinのicソケットが無かったので16pinので作れるように設計しました。本来はGain(1,8)ピンと出力ピンが隣接するのは良くないですが作ってみたらそんな影響はなさそうでした(結果論)
   注)上図にはC3,C4がありません。あくまでも参考程度にお願いします。
僕もCAD使えるようにならないとですね...最近Eagleで遊んでますがまだまだ遠そうです。
出力のDCカットコンが対称でないのは幻覚です。

動作報告

音質など

 音質は悪くは無いと思います(よくわからない)。多分、オーオタの方からするとゴミだと思いますが、今回は音楽を聴くことはないので十分そうです。ホワイトノイズはほぼ聴こえませんでした。
 あと、入力に何も繋いでない時の60Hzの音は十分抑えられてました。ただ、R4~R4を5kR以上にしたらダメそうでした。本来は低抵抗のスピーカーが繋がれる場所なので、1kでいいと思います。
 数回使ってますが、僕の用途では満足です。

蛇足

 最近進捗がまちまちでTwitterに書くことないんですよね~この記事投稿したら再開するのでもうすぐ帰ると思います。
 またの~

2019年5月18日

汎用ロジックでD級アンプ

(追記:ΔΣ型となっていますが、本当はヒステリシス変調という方式らしいです。2つの違いを調べてもよく分からなかったので詳しくは書けません)

自己紹介


 こんにちは!ネトラトだよ~! なんとHITEGに入ってみました。メインブログとは分けて小ネタみたいな記事を書こうと思います。いわば気分転換の工作ですね
 これからもよろしくお願いします。

動機


 突然ですが、私が気分転換の時は簡易D級アンプを組みます。理由は原理が面白いのが大きいです。個人的に好きな方式がΔΣ方式なのでいつもそれにしています。
 普通、ΔΣ型のパワーアンプはその原理からコンパレーターが必要です。入力と出力の大小関係をフィードバックするためです。今までもLM393等を使って遊びました。


 しかし、それを一見無くしたかのような回路を思い付いたので実際に作ってみました(遊び)

基本原理


 まず、ΔΣ型は普通のアンプと同じように、出力電圧と入力電圧が同じになるように動きます。つまり負帰還をかけるのですが、パワーアンプが1か0しか出力できないので、その方法が特殊になります。↓
 もちろん負荷に1or0の出力を付けるとアナログの値はありませんから、Lを介して繋ぎます。Lは電流がゆっくり上がっていきますから、オンオフを繰り返せばアナログの値がでるはずです。この状態で負荷の電圧を監視し、入力よりも高いか低いかでパワーアンプ出力の値を変えます(1or0)。このままだとただのアナログアンプになるので正帰還を掛けます。つまりヒステリシス特性を持たせ、目標の値はふらふらします。↓ヒステリシスが掛かった鋸波


回路


 今回、コンパレーターを汎用ロジックで代用したいのですが、例えば74hc04の閾値は約2.1vに固定されているので苦しいです。
 そこで、icの閾値を変えるのではなく、フィードバック電圧(FB)を変えるという手法をとります。具体的な基本回路は以下の通りです。

FB入力の平均電位を抵抗で変えます。各コンデンサーはカップリング用です。入力は電流がほとんど流れないので小容量でいいです
 実験回路は以下の通りです。

電源はmicro USB(5v)で、ケーブルの長さが影響しそうなので100uFの電解コンを電源ラインに入れました。スマホ用のアダプターは低負荷時の動作が物によって違うので電源フィルターの確定は難しそうでした。
 470uHという値はおよそで決めました。周波数的な話で、あまり高すぎると遅延時間が顕著に出て、再現性が悪くなります。具体的には三角波状のリップル電圧が数倍になり、動作がリング発振器(遅延を利用した発振回路)になってしまいます。
 74hc04の閾値はVcc=5v時約2.1vで電源電圧の1/2よりも低いので、なにもしなければDuty比は50%ではありません。これは回路が入力をVthに保とうと働くことに由来しています。
そこで、FB電圧を変えるように入力にDC電圧を上乗せします。ここでは入力を51kでプルダウンし、Duty比を上げています(値は実験で決めました)。
 470uHの先に10nFの積セラがありますが、これはスピーカー(SP)接続時は意味がありません。しかし、SPが無くなったときにこれが無いとインダクタに電流が流れず、発振周波数が跳ね上がります。発熱が心配だったので入れておきました。
 最後に、基本なのですが入力の最初にフィルターを入れるといいです。スマホを繋ぐと分かるのですが、酷いノイズになって増幅されます。かなり高い周波数が含まれていて、それがノイズに変化したのだと思われます。

製作・結果


ブレボに組みました。


 発振周波数は約78kHzでした。正帰還の抵抗を小さくするとヒステリシスが強くなり、周波数は下がってリップルは大きくなります。
 MOSFETのプッシュプルは出力のリンギングが酷いイメージでしたが、今回のはほぼ無かったです。ゲート駆動素子が貧弱なのが理由でしょう。やはり低速な回路は楽ですね。
(ゲート波形)↓

 下にFB端子の電圧波形を示します(ロジック入力)

Vthを越え、出力が切り替わった直後に電圧が加減されているのが見えます。これが出力にリップルとして現れますが、周波数が高いのでSPのL成分で影響が無くなります。
 で、肝心の音ですが、私には優劣が分かりませんでした。明らかな劣化は感じられず、ノイズもほぼ聴こえませんでした。簡単な回路な事もあって割と嬉しかったです。

考察・課題


 今の回路ではLRの分を作ると2つの論理ゲートが余りますが、これが丁度良くてバイポーラ駆動に出来ます。もう1つプッシュプルを追加して、その駆動に余ってるのを使います。利点は知りませんが(本末転倒)
 ただ、1つ大きな欠点があって、ゲインが小さいことです。ゲインは負帰還抵抗と入力抵抗で変えれるのですが、上げようとすると結果的にFB電圧も下がってしまい、発振が止まってしまいます(アナログ動作)。なので、これ以上のゲインを求めるならロジックを多く繋ぐと良いのですが、1チップの利点が無くなります。それくらいならオペアンプを入力段に入れるのが現実的と思います。面倒なのでしませんが

おわり


 FETとhc04だけで組めるのでかなり楽でした。その割に波形が面白いので嬉しさも大きいです。みなさんも気晴らしに組んでみてはいかがでしょうか。
 もう1つ、私はまだ過渡応答の計算を知らないので発振周波数の式が分かりません。発振余裕度等、その辺をしっかりすると実用的になる気がするので誰か最適化してください(投げ

ここまで読んでくれてありがとう!またノ~

2019年5月3日

電子レンジを分解

 こんにちは~ぜろちゃんです。
さて、突然ですが知り合いから壊れた電子レンジをもらったので分解して部品取りをしました。

 では、写真投下していきまつ。
分解したのはこれ。HITACHIの97年製。
電子レンジお約束の回路図と、「サービスマン以外は(略)」の警告。
見た感じMOT式。別にガッカリでもうれしくもないw

あ、このブログを見に来ているような人たちは大丈夫だと思いますが念のため、
このブログを参考にして起こった事故等についっては一切責任を負いかねます。

まぁ、オイルコンデンサには並列に放電用の抵抗が入ってるし、電源つけたまま分解したりしない限りはある程度大丈夫だけどね。

蓋を開けました。部品の配置はどれもほとんど同じです。つよい...
マグネトロン、MOT、ファンなどを外しました。
右下にあるのがオイルコンデンサで、その上にある黒いのが50Hz/60Hzの切り替えスイッチです。
取り出したオイルコンデンサを観察。右にあるのは以前に別の電子レンジから取り出したもの。大きさ比較用。
3極で50Hzと60Hzの両方に対応している。

続いてはMOT。AC100Vを2000Vまで昇圧します。
手前にみょーんって出てるのは高圧の線ではなく、マグネトロンのヒーター用の線。
 ヒーター用の線は最大値を測ってみたら6Vくらいだった。
スズメッキ線でショートさせたら赤熱して焼き切れた。
電流はそこそこ流せるっぽい。
最後に、今回取り出した部品たち。使う機会なかなか無いけどそのうち使うでしょう(こなみ

 感想としては、ねじの数も多くなく、比較的分解しやすかったかな。

ではまた~

2019年4月20日

FBTプラズマスピーカー

こんにちは。ぜろちゃんです。
ちょこちょこ作ってたFBTスピーカーが完成したので画像貼ります。

回路はwataさんのを使わせてもらいました。原理は調べたら出てくるので割愛します。

適当に画像垂れ流していきますよw

製作途中です。この時は24V→12Vにする電源基板をステレオの両チャンネルで共有していましたが、ステレオにするとノイズがひどいのでこの後電源を分離しました。(ノイズはほとんど改善されませんでしたがw)
 ちなみに使ってるFETは、最初は2SK1122を使っていましたが、いろいろ実験してると壊れたので15Aのものに交換しました。
電源トランスはジャンクのコンポから取り出しました。
 ノイズ問題を解決すべく、銅とアルミを重ねてシールドのようなものを作りました。
FBTと制御・電源基板の間に立ててみましたがあまり効果はありませんでした。。。
フロントパネルを作りました。周波数、duty比を調節するVRと、それぞれの電源スイッチ、オーディオ端子が付いてます。
適当設計&配置なのでスイッチの高さとか微妙にずれてます。かっこ悪いですw
パネルは塩ビで作りました。アクリルでも良かったんですが塩ビのほうが加工が楽そうなので(小並感)
色々途中の工程すっ飛ばしましたが完成です。電源基板には青色LEDを付けました。
天板は板の余りがなくてそこら辺にあったのを使ったので穴が開いてます。
電極は良いのが見つからなくて今は適当に銅線使ってます。そのうちちゃんと作ります。
暗くするときれいねー。
裏はこんなん。ちゃんとフィルタも入ってます。

はい。作ったFBTプラズマスピーカーの紹介でした。
肝心の放電してる動画ですが、私のTwitterにて公開しています。
https://twitter.com/zvsmake/status/1112677938153943042

以上。ではまた✋
(HITEGの人たちブログ更新して)